陰陽姫 夜明けを見るものたち



希「龍之介もいらっしゃい。」

ニコッと微笑み龍之介を手招きする。

龍「ん。」

龍之介も素直に希美に近付き、その細腕が自身に回るのを静かに見守る。

希「余り無理をしないで、自分の身を案じてね?2人が無事なら私は良いのだから…」

龍「ん。」

短く返事をして一瞬目を閉じる。

そしてゆっくりと顔を上げ

龍「行ってきます。」

拓「行ってきます!」

自信たっぷりに笑う龍之介と仔犬のように可愛く笑う拓海。

そんな2人を、それこそ赤ん坊の頃より見てきた希美は

希(ああ、なんだかんだで立派に自分の道を見付けたのね。)

目に浮かびそうになる涙を飲み込み、優しい母親のような笑顔で

希「行ってらっしゃい!」

笑って送り出してやったのだった。