紫「…な、んで…ここに…」

翠「私が手当てをするから。その後何があったか話しなね。」

紫「!! いい!このままでいいから!っ痛…!」

慌てたように体を起こそうとするが、傷は右肩から左脇まで3つ伸びている。

恐らく妖の爪で深く薙ぎ払われたのだろう。

当然大丈夫な訳もなく、そのまま布団に崩れてしまった。

賢「おいおい良いわけないだろ。取り敢えずその血濡られた服を脱いでおけよ。」

そう言って賢人は部屋を出ていった。

翠「紫苑、ほら痛くせぇへんから手当てしよ?」

紫苑に近付くも動けないながらも必死に後退りする紫苑。

その手は絶対に脱ぐものかと服を握っていた。

翠「…私が何も知らんと思ってるようやけど、アンタが性別を偽っとるんはわかっとる。ええから早く服脱ぎ。」