「待て、何を勝手なことを言っている!」

「お前ごときが命令するな!」

「紫苑に何かあっては困る。誰か1人は残すぞ。」

口々に言ってくる彼らに翠は動じた風もなく

翠「この子があなた方の治療を拒んだのですから私がやると言っているのです。役立たずは黙って部屋から出て下さいませ。」

翠が鋭く睨むと更に反感し罵声を飛ばそうとするが阻まれた。

秋「では皆の者、儂らは部屋を出ることとしよう。翠よ、頼むぞ。」

翠「御意。」

翠の返事を聞いて立ち上がる秋雅に他の者達も渋々立ち上がる。

いくら納得していなくても、当主である秋雅が許すならば自分達は従うしかない。

翠「さて、紫苑?聞こえる?」

紫苑の枕元に座り、翠は顔を紫苑の耳に近付け囁く。