賢「あぁ、お前もな。」
翠の背中を優しい手付きで撫でる賢人。
暫くお互い何も話さず静寂が辺りを包む。
しかし、その時
ヒラリ
翠「っ!緊急連絡用の式!」
翠の目の前に一匹の蝶が現れた。
"――緊急連絡。第五封印破られ、神木 勘助・蒼希両名の生死が不明。尚、神木 紫苑が大怪我の重体ながらも本家に帰還された。守護者は至急集まれよ。"
翠「!!」
翠の頭に直接情報を与えた蝶はボッと一瞬のうちに燃えてしまった。
賢「何だって?」
翠「第五封印が破られました。勘助・蒼希両名の生死が不明です。しかし紫苑が帰ってきた。今から話を聞きに行ってきます。」
賢「俺も一緒に良いか。」
頷き、走り出す翠。その後ろを賢人も黙って付いていった。