陰陽姫 夜明けを見るものたち



翠「助かります。入っても?」

勘「構わないよ。」

しかし表情を変えず淡々と言葉を紡ぐ翠に後ろの男達は内心驚くがホッとしていた。

勘「ところで後ろの彼らは?」

翠の後ろに目線をやり、問う。

白【翠の弟子だ。このオヤジは阿部の次男坊だぞ。】

賢「オヤジって…」

勘助の質問に白棹が答えると、ほぅと顎に手を当てる。

勘「貴方がジジ様に弟子入りされた阿部家最強の陰陽師ですね。お噂はかねがね。符術に長けた阿部の生まれにも関わらず更なる術の向上心は尊敬にあたります。しかし15年前あるお役目で亡くなったと…」

賢「そりゃジジ様の嘘っつーか情報ミスだ。俺はこの通りピンピンしてるよ。そう言うお前さんは妖刀師の者だな?志波家は代々優秀な妖刀師を輩出してきていたが見る限りアンタも」

言いながらキョロキョロと室内を見渡す。

賢「…相当良い腕をしているな。どうだ、コイツらにも見繕ってやっては」

クイッと後ろを指差す。

拓「妖刀師?」

翠「退魔刀を造る人の事や。退魔刀は妖の爪や牙などを材料に武器を造るから専門の知識がないと妖気を抜くことが出来なくて危ないん。志波家は代々妖刀師の家系で勘助様は幼い頃より神童と呼ばれるほどの腕を持つ妖刀師なんよ。また陰陽師としても優秀な方や。」

拓海の質問に翠が答える。勘助は「そんなことないよ」と笑い首を振るだけだった。