カンカンカン
鋼を叩く甲高い音が辺りに響く。
ゴォォ
カンカンカン
ジュウ
薄暗い部屋の中、小さな窓からの日光と僅かな風を感じながら男は黙々と鋼を打つ。
そして
カァン
「…うん。良い出来だ。」
打ち上がった鋼を見上げ、男は頷く。
『勘助様、いらっしゃいますか?』
部屋の外から控え目に声を掛けられた。
立ち上がり、戸を開けると漆黒の髪を風に遊ばせた少女がいた。
「急な呼び出しで悪かったな翠。」
翠「いいえ、それで勘助様、ご用件は何でしょう?」
勘「退魔刀を折ったのだろう?新しいのが必要ではないか?」
勘助と呼ばれた男は茶髪に中性的な顔立ち。髪は腰まで長くスラリと身長も高い。下手をするとそこらのTVの住人より美形だ。
それが愛想良く笑い、作業していたのだろう、肌を滑る汗が何ともセクシーだ。世の女性もメロメロだろう。

