翠「そんな下らん嫌味言いに来たん?せやったら出ていけ。私達これから修行すんねん。」

蒼「生憎俺もそこまで暇ちゃうわ。兄さんが呼んでんねん。鍛冶場にいるから来てくれだと。」

ピクリと翠の眉が器用に片方だけ上がる。

翠「鍛冶場?わかった。すぐに行く。」

翠の返事を聞いてすぐに蒼希は踵を返すのを翠が呼び止めた。

翠「蒼希!」

蒼「…何?」

翠「今夜は行くん?」

蒼「当然だろ?兄さんが行くなら、俺らも行く。今度こそ奴らを滅する。」

翠「…わかった。勘助様がいるから、大丈夫やと思うけど気を付けてな。」

翠がそう言うと目をぱちくりしていたが、蒼希は何も言わずに部屋を出ていった。

それを翠は少し悲しそうに見送る。

しかし本当に僅かな変化な為、白棹以外は翠の悲しげな瞳に気付かなかった。

賢「誰だ?今の餓鬼は。」

蒼希の背中を睨みながら賢人は翠に聞く。