翠『さて、ほな早速やけど修行するよ!』

『『はい!』』

「………」

部屋の中の楽しげな声を襖を一枚隔てた廊下で気配を殺し1人聞いていた者はチッと舌打ちをする。

――アイツが当主だと?ふざけるな!化け物をその身に宿らせた奴が当主になるなど誰が認めてなるものか!――

そう思いながらも、取り敢えずここに来た目的を果たすべくノックもなしに襖を開けた。


パンッ


「「「Σ!?」」」

いきなりの訪問者に皆驚いてそちらを見る。

すると賢人以外つい数時間前に見た蒼い髪の少年が翠を睨むように見ていた。

翠「蒼希?何の用?」

意外な訪問者に目を見開き問う翠を一瞥して蒼希はグルッと室内を見渡した。

蒼「…こんな大変な時によく男を連れ込めるな。」

ハッと鼻で笑う蒼希に翠以外不快感で顔をしかめた。