翠「頼りにしてます。賢人さん。」

賢「……どうせならここにしてくれれば良いのに。」

トントンと唇を指すと困ったように苦笑いする。

翠「私はあの子程大胆になれませんので。」

賢「そういや知ってるか?キスする場所によって意味があるらしいぜ。
まず、手の上になら、尊敬。」

チュッ

翠「Σ!?///」

賢「掌になら、懇願。」

チュッ

賢「頬になら、親愛と厚意。」

チュッ

賢「額になら、挨拶。」

チュッ

賢「瞼の上になら、憧憬。」

チュッ

賢「唇になら、愛。」

チュッ

賢「手首になら、欲望。ってな?」

チュッ

説明しながら一つ一つ唇を落とす賢人に恥ずかしいけど翠は確かな幸せを感じていた。

賢「あ、因みに俺はこことここに最近は特にキスしたいんだけど。」

ここと指した場所を見て翠は更に真っ赤になった。

翠「ぜ、善処します。///」

これから暫くは、ある意味で身の危険を感じるが、この大きな手を放すことは無いのだろうと思った。

この先に何があろうと私は彼を、彼らを信じ護っていこう。どんなに苦しくても辛くても、その先にはきっとこんな幸せがあるから。

翠はそんなことを思いながら再び賢人に擦り寄り目を閉じたのだった。

~fin~