秋【話は終わりか?ならばこれにてお役目を全終了する。各々、精進するのじゃ。神木の名に恥じぬようにの。儂は黄泉でお主らが来るのをのんびりと待っているぞ。では解散!】
パンッと扇子を床に叩くと秋雅、もといいずなの身体が崩れ落ちる。
翠「危なっ…!」
頭が床に叩きつけられる前に猿鶴が彼女の身体を支えた。
何人かはいずなを気にするように見ていたが解散と言われ殆どがその場を去っていった。
猿【……逝ったか。たく、別れの一言でも言ってから逝けっつーの。】
寂しげに悪態を呟く猿鶴の手の中で僅かに身じろぐと、いずなはゆっくり目を開けた。
い「だい…じょうぶ…預かりましたから…」
翠「いずなさん?」
いずなはしっかりと自分の足で立つと猿鶴を見つめる。
い「"猿鶴、お主にしては瞬きの瞬間のような儂の人生を共に生き、戦ってくれて感謝する。儂は先に逝くがお主のことだ。神木を見守ってくれようとしているのではないか?気を遣うことはない。自由に生きるがいい。"だそうです。」
猿鶴は唇を引き結び何かを耐えるように息を詰める。
猿【…っ…自由、か。あんの老いぼれが。生意気言いやがって…!】
翠「猿鶴殿…」
涙は流していないが猿鶴の気配は泣いているようで翠はその大きな手を優しく撫でた。

