猿【実はな、今回憑依されたこの嬢ちゃんを処罰しようと話し合いが行われてよ。大半は嬢ちゃんの死を願っているんだが、翠達と封印の守護者は必要ないと言っているんだ。】
秋【ほう?】
白【それでも納得の出来ない者が多くてな。ならば翠が代わりに自分の命を差し出すと言ったのだ。まぁそうなれば我も黙ってはおらぬが。】
代わる代わる説明すると秋雅は傍にあった扇子を取りトントンと顎を軽く叩く。
秋【成る程、それで皆の答えは?】
「翠を失えば白棹が一族を皆殺しにすると…そんなことを許せる筈がないのでいずな殿の件は不問に致しました。その代わり、翠の当主継承権利の剥奪を要求しましたが」
秋【翠の?】
すると秋雅は翠を見据え
秋【まさか承諾したのではあるまいな?】
責めるように問えば翠は僅かに震える。
それはいつになっても慣れない秋雅に対する恐怖心だった。
翠「私は当主になりたいと思った事は御座いません。私は器です。もとより考えたことが無かったので剥奪されようと関係無いのです。」
秋【ならぬ。良いか?今この神木にはお主のような者が必要なのだ。翠を儂の次の当主にする。それは"霊戻し"の式符を与えた時点で決めていた。誰も異論は認めぬぞ!これは儂の最後の願いじゃ。】
懇願にも似たその声に皆が押し黙る。

