陰陽姫 夜明けを見るものたち



「じゃがこれでは皆も納得の仕様がなかろう。」

そう他の古参の者が言えば、皆も一様に頷く。

「そこでどうじゃ?翠の当主継承権利を剥奪とするのは。」

当主継承権利の剥奪。

今現在、次の当主候補として一番の可能性が"霊戻し"を扱える翠だ。

しかしそんなことを古参の者達が許せる筈がない。なのでこの提案は願ってもないことだろう。

だが他の者達は、幾らなんでもそれはどうなのだろうという感じに戸惑っている。

すると当の本人は

翠「全くもって問題ごさいません。」

ニコリと、それはもう良い笑顔で了承した。

龍「良いのか?」

翠「うん。元々興味なかったんもん。」

そもそも騒いでいたのは周りだけで、人生の殆どを器として生きてきたこの少女にそんな欲は全く無い。

勘「だが、私は翠なら適任だと思うが…」

勘助がそう言うも翠は首を横に振るだけだ。

蓮「確かに翠ちゃんなら良い当主になるよね?だけどさ、アンタ達はいつまで彼女を縛る気なの?」

冷たい声に蓮を見ると僅かに妖炎が上がっている。

拓「翠はさ自由が似合うと思うんだよね。これ以上、背負うことなんてないよ!」

飛「翠さんは貴方方と違い権力に欲深い人間では無いのですよ。まぁ彼女を当主候補から外すならば彼女の負担が消えますし何より望んでもいませんでしたから賛成ですよ。」

「なっ!?貴様、それはどうゆう意味だ!?我々が欲深いと言いたいのか!?」

「半妖の分際でふざけたことを!!」

すると、今まで黙っていた賢人も

賢「間違っちゃあいないだろうが。それと発言には気を付けた方がいいぜ。俺達陰陽師は妖の力を借りることが多い。いざとなりゃあアンタ達みたいな力の無い人間など簡単に捻り潰しちまうさ。」

嘲笑うように言うと何人かは青褪めてしまった。

クスクスと白棹も笑う。

白【確かに、こんな非力な老いぼれなどひとたまりもなかろう。】

「ひ、ひぃぃぃ!?」

ツイッと顎を掬い覗き込む白棹はやはり妖。

覗き込まれた古参の1人は竦み上がった。