神木において誤解はあるが翠の件を知らぬ者はいない。
翠を見る目を変えたのも今回の件が終わってからだ。
その為、全員が翠の言わんとする事が痛いほどわかった。
翠「私が彼女を護るのは同じ思いをして欲しくないから。皆に同じ過ちをおかして欲しくないからです。」
白【さぁ、どうする?今一度、あの時と同じ事を繰り返すようならば翠はいずなの代わりにこの場で首を斬るだろうな。
だが覚悟するがよい。翠を死なせれば我は貴様らを殺す。この場に…否、この地に神木の血の海を作ろうぞ。】
白棹は基本、神木に興味は無い。誰が生きようが死のうが自分はただ縛られる存在だったから。
だが唯一、翠は違う。
器として傍に居たときも、式として今も共にあるのも翠だからだ。
その要である翠を失えば、彼が神木に従う筈もなくこちらに牙を向けるのも自然と言えよう。
「…わ、わかった。いずな殿の処遇は…不問とする。」
翠「有難う御座います。」
翠が刀を鞘に戻し頭を下げた。
「そ、そんな!?納得出来ませぬ!!」
慌てて信造の妻が異議を唱えるも
「異論は認めぬぞ!我々は翠を失い一族を皆殺しにされるのは避けねばならん。小娘1人の命と引き換えにするにはあまりに代償が大きいのだ!」

