陰陽姫 夜明けを見るものたち



白【ふん、貴様は優しすぎるな。】

それだけ言って白棹は"気"を抑えた。

翠「いずなさん、大丈夫?」

い「ハァ…ハァ…は…い…」

同じように白棹の"気"に当てられ冷や汗を垂らすいずなに気遣わしげにそう言えば荒い息ながら頷く。

翠「我が式のご無礼御許しください。されど、白棹の言い分はもっとも。貴方方はあの頃から何一つ、変わっておりませぬ。そう何一つ…」

悲し気に呟き、懐から短刀を、幾太刀を取り出した。

翠「そんなに血を流さねば気が済まぬと申されるならば…」

シャッ

翠「私が身代わりと成りましょう!」

グッと首にその白刃を立てる。

賢「Σなっ!?翠!?」

拓・龍・蓮・飛「翠!?/翠ちゃん!?/翠さん!?」

白【ほう?】

これにはその場に居たもの全員が驚いた。

「ば、馬鹿な事は止めるのじゃ翠!」

「そ、そうよ!何故その子の為にそこまで!?」

翠「白棹も申していたでしょう?"まるであの日を見ているようだ"と。懐かしいですね?15年前もここで一族中から憎しみの篭った目で睨まれ、罵声を受けて…私は追い詰められた。」

ギクリと肩を震わす者、視線を逸らす者、顔を青くする者と他者多様の反応を示す。