あの日、全てが終わり皆が帰った時、未だ目覚めないいずなを本家は保護することを反対した。
理由は簡単。いずなを彩華と同一視しているのだ。
翠「彼女は被害者なのに…何でわからへんの…?」
麗【奴らに理解しろと言うのは恐らく無理でしょう。翠様くらいですわ。全てを憎まず受け入れられるだけのお心を持っているのは。】
冷たい目で本家の方向を睨む麗奈。
翠「買い被り過ぎや。私だって両親を殺した妖を赦せへんし、彩華も…」
麗【買い被りなんてありませんわ。ここにいる神木の式達は皆、貴女様の御優しさに救われていますもの。】
「そうなん?」ときょとんとする翠にもっと自分の価値を知れば良いのにと思う麗奈だった。
ガラガラ
拓「たっだいまぁ!」
すると玄関から元気な声がした。
麗【あら拓海君達、帰ってきたのね。】
翠「ホンマあの子は元気やなぁ。」
苦笑して玄関に向かう翠を追いかけるため襖を閉める。
「……うっ…ん…」
その時、眠っていた少女が身じろいだのに麗奈は気付かなかった。