ｽﾞﾊﾞｯ

彩華の絶叫を無情にも無視して刀を降り下ろす翠。

しかし、彩華から血は一滴も流れていなかった。

飛「えっ、翠さん…？」

訳がわからず飛鳥が恐る恐る声をかける。

しかし翠はそれに答えずに彩華を睨む。

晴【手応えは？】

翠「上々。そろそろや、来るで!!」

そう叫ぶや否や翠は賢人と飛鳥と共に彩華からﾊﾞｯと離れる。

すると彩華から黒い塊が天高く溢れ次の瞬間、屋根を突き破り地下に堕ちていった。

賢「何だ今の!?」

賢人が驚愕に目を見開き翠に問う。

白【黄泉の亡者だ。】

ﾎﾟﾝｯとお馴染みの音と共に姿を現し答えたのは白棹。

飛「黄泉の亡者？しかしどうやって彼女から出したんですか？」

翠「これや。」

そう言って差し出したのは幾太刀だ。

翠「"幾太刀"。この刀の名の由来は、"幾重の繋がりを断ち切る"というらしい。私が斬ったのは彩華やない。彼女の中にある亡者との繋がりを、いずなとの繋がりを斬ったんや。｣