陰陽姫 夜明けを見るものたち



翠「妖の気配がない。外に残っていた皆が頑張ってくれたんやな。」

周りを確認してみると、あれほどいた妖は見当たらず静かだった。

白『彩華はどこだ?』

白棹の言葉に首を回すと、上空に人影を見つけた。

翠「居た!」

翠は再び刀を振るい氷の刃を彩華に放った。

ビュッビュッビュッ

彩【甘いわ!】

ガシャーン!

しかし彼女に届く前に草薙剣で叩き落とされた。

翠は気にせずに彩華に剣先を向け睨む。

翠「勝負せぇ彩華。私を倒さぬ限り、アンタの思い通りにいくわけないやろ。」

挑発的なその言葉に彩華は余裕な態度を変えなかった。

彩【わざわざ妾に殺されに来るなど…愚かな。拾った命を無駄にするなんてのぅ?】

やれやれと肩を竦めると、彩華は剣を構える。

赤い瞳が翠を捉えるとニタァと笑った。

彩【しかし、霊戻し使いを殺せば、その忌々しい男を見ることもない。いいじゃろ、相手になろう。】

晴【…僕も嫌われたもんだね。】

肩を竦める晴明を一瞬睨むと、彩華は一気に翠に向かって落ちてきた。