白『良かったのか?』
彩華を追って上に上っている途中、頭に直接白棹の声が響く。
その声はどこか呆れていた。
翠「アレに対抗できるんは私だけやろ。白棹が中に入っているから霊力の最大値も上がって霊戻しも使える私しか彩華を止めれない…」
白『我の言いたいことがわからぬわけではなかろう。あやつらを置いてきて本当によかったのか?』
翠「………」
翠は無言を返す。否、何も返せなかったのだ。
翠「…怒られるかな?」
白『まぁ、確実にな。けれど、無事に帰ればあまり怒られぬかもな。』
暗に生きて帰れと白棹は翠に言っている。
長い付き合いなので翠も正確にその意味を汲み取り少し笑う。
翠「ほな、お説教は白棹も一緒に受けてぇな?」
白『善処しよう。』
軽口を叩くも出口が見えてきたため表情を改める。
彩『妾を止められるか?』
彩華の嘲笑うような声が甦る。
翠「止める、必ず!」
ガッシャーン!
天井を突き抜け屋根に降りると、外の邪気は地下に比べ薄いが、やはり既に京の都は闇に包まれている。

