陰陽姫 夜明けを見るものたち



紫「そんな…僕の刀が…二本とも砕けるなんて…」

翠「紫苑!」

晴【危ない!】

一瞬、刀を見詰めてしまった紫苑は翠と晴明の鋭い声に顔を上げると同時に顔面に激痛が走り、そのまま後ろに吹き飛ぶ。

紫「ぐあっ!?」

蒼「Σなっ、しお…ぐっ!!」

紫苑の身体は後ろにいた蒼希にぶつかるも勢いは止まらず、そのまま2人揃って壁まで飛ばされる。

白【チッ!】

ビュンッ

ポスッ!

白【大丈夫か?小僧共。】

間一髪、白棹が壁との間に入り2人をその大きな身体で受け止めた。

翠「ああ、良かった!白棹ありがとう。」

白【礼には及ばん。貴様の両親とも約束したからな。】

フッと笑い白棹はポンッと人の姿に戻った。

心底安心したように息を吐く翠は鋭く双子を睨む。

翠「勝手に飛び込むんやない!今の彩華との実力の差はわかっているやろ!」

翠の怒声にビクリと肩を震わす2人。

しかし翠はスッと膝を曲げて視線を合わせるとフワリと2人を抱き締める。

蒼・紫「!」

翠「ホンマ、寿命が幾つあっても足りひん。お願いやから…置いていかんといて…」

泣き出しそうな声に戸惑う2人に勘助が翠と同じように膝を曲げて静かに言う。

勘「翠は…ご両親の死を目の前で見ている。身内を失う恐怖は誰よりも強いんだよ。」