翠「白髪?何故?」
晴【変わったのは髪だけではない。眼も肌も着物も違う。最後に吸収したのであそこまで変わった。】
晴明は翠の後ろに立って説明する。その瞳は鋭く、敵の一挙一動も見逃さないというようだ。
翠は改めて彩華を見る。
髪は綺麗な白髪。肌は褐色になり、瞳は赤く白目の部分は逆に黒に染まり服はまるで異国の鎧を纏っているようだった。
翠「彩華、私がわかるか?」
翠は慎重に話し掛ける。
彩【くっ…くくく…あっはははは!】
「「「!?」」」
すると突然狂ったように笑いだし全員に緊張が走った。
彩【ようやっと、我が意識の中に馴染んできた。素晴らしい…素晴らしい力だ!!】
彩華はぐっと手足に力を込めて結界を壊し、ゆっくりと立ち上がる。
彩【伊邪那美を取り込み、流石に焦ったが所詮は古き神。妾の敵では無い。】
晴【伊邪那美…だと…?】
伊邪那美の名に流石の晴明も目を見開き翠を見ると彼女も頷く。
翠「最後に吸収したと言っていたのは恐らく間違いなく伊邪那美様です。私は黄泉ですれ違い、現世に出られたのを見ましたしそれ以降亡者は出ていません。」
神「伊邪那美なんて、そんな大物をいとも簡単に吸収したのか。」
皆、一定の距離を取り様子を見る。