その時、飛鳥がふと動きを止めた。

蓮「飛鳥?」

飛「風が…変わった。来る!」

その瞬間、強い風が黄泉の扉から感じた。

ゴオォォ

ドォン!

クゥゥゥゥン!!

黄泉の扉をまるで蹴破るが如く現れたのは金色の獣。

拓・龍「白棹!」

それから2人の人影が白棹から飛び降りた。

勘・組「蒼希、紫苑!」

勘助と組頭が駆け寄るとフッと同じ顔で笑う2人。

蒼・紫「ただいま戻りました。兄さん、組頭!」

そして最後に降り立った少女はある人物の前に進み

翠「ご心配、お掛けしました賢人さん。」

ニッコリと笑い、その手を握る。

賢「ったく、マジでビビったぞアレは!」

変わらない翠の笑顔に安心して彼女が握った手を更に強く握り返した。

翠「それで、彼女は?」

翠が問うと、賢人は目線で促した。

紫「何やアレ…」

蒼「すげぇ邪気がアイツから放たれてる。人間離れし過ぎていっそ神々しいやん。」

視線の先には沢山の棒状の結界を身体の隙間に入れられ身動きが出来ないでいる"白髪の女性"がいた。