翠「まだあんなにいたんや…こっちに向かってきたって事は外に出るつもり?
そんなこと、させへん!」
翠は殆ど無意識に刀を握り、符を取り出した。
【翠。】
それにすぐに大きな手が翠の目の前に現れ、翠は目を瞬く。
翠「父様?」
【君はまだ"こちら側"の人間ではない。君が力を奮う場所は地上だ。ここは父様に任せなさい。】
ニッコリと微笑んだ父様に15年前のあの日の事が甦る。
あの時と同じ、嫌な予感がした。
翠「父様、で、ですが私だって実力をつけて足手まといには…!それに肉体のない貴方が力を使えば…!」
【父様は別に貴女の事を邪魔だからそう仰っているのではないのよ?
確かに"アレ"を止めるのは大事。地上に出ては生きとし生けるものが死に絶えるもの。
けれどね?それは貴女の仕事ではないの。貴女は地上の者達を護る事が生者である貴女のすべき事よ。】
ポンッと肩を優しく叩く母様。つまり、これらを止めるのはこの黄泉に身を置く"死者"である自分達の役目。
"生者"である翠は早くここを出て本来の敵と戦えと言っているのだ。

