暗い闇をただ堕ちる。
ゴォォォ
耳に届くのは風の音か…亡者の叫びかもわからない。
翠「…っつ!オンソワカカラリンミョウワンテンショウケン!"爆"!」
ドォン!
ガラガラ
翠「あっぶなぁ…って言ってもこのまま堕ちていってちゃ岩に叩き付けられて死んじゃうし。」
今、寸での所で突き出た岩にぶつかるのを岩を砕く事で免れたが、正直いつまでも続かない。
堕ちながらも腕を組んでどうしたものか考える。
【ふふっ、随分落ち着いてるわね?一体誰に似たのやら。】
【確実に君だろうね。】
翠「へ?」
穏やかな声が聞こえたと同時にフワリと身体が浮いた。
翠「Σふぇ!?」
ストン
地面にぶつかる事もなく静かに降り立つ。
翠(今の声…今の"気"は…まさか!!)
バッと振り返ると一組の男女が仲良く寄り添い笑っていた。
翠「!! 父…様?母…様…?」
恐る恐る言えば、2人はニッコリと微笑んだ。