陰陽姫 夜明けを見るものたち



翠「賢人さん!」

翠は賢人に駆け寄り、その身体を支えると賢人は痛みに顔をしかめながらも「大丈夫…」と言う。

彩【今、扉を閉じさせる訳にはいかぬ!
さぁ黄泉の亡者共よ!この身を捧げよう!その代わり、妾に力を…全てを滅ぼす力を妾に与えよ!!】

彩華は身を捧げるように両手を広げ叫ぶ。すると僅かに開いていた隙間から黒い影が彼女に纏わり始めた。

賢「あいつ、何を…するつもりだ…?」

晴【…黄泉の亡者を吸収するつもりなのかもね。】

翠「吸収?そんなん出来るん?」

晴【吸収自体はね。だけど亡者なんて謂わば沢山の霊体だ。様々な怨み辛みの塊を制御出来るかはわからん。】

翠「そんな!?」

これ以上彩華に怨念を纏わせてはいけない!彼女が成仏出来ないのは恐らくその身に怨念を貼り付かせているから。
それに、いずなの精神が崩壊しかねない!

翠(きっと、彩華自身の怨みは晴れている。けれど、彼女が殺した人間。長く現世をさ迷って引き寄せてしまった他人の怨みが彼女の魂を浄化させないんや。)

晴【成る程ね。怨念が彼女を縛り付けているのか。流石は翠だ。人の痛みに敏感な君だから気付けたのかな?】