陰陽姫 夜明けを見るものたち



男は嘲笑うように「やれ。」と口の動きが言っていた。

その瞬間、2つの首が跳んだ。

彼女の顔に温かい血が掛かる。


「あぁ…あぁあああああー!?」


その時、今まで聞こえなかった彼女の悲鳴が聞こえ驚いて瞑っていた目を開くと、いずなが上げた悲鳴だった。

翠「い、いずなさん!?」

慌てて額を離しいずなを見る。

?【やめ…ろぉ…!その先は…それ以上は…見たく…ない!】

翠「彩華か!」

ザッと彼女から離れ"氷結白雪"を構えた。

彩【おのれ小娘…妾の記憶を見るだけでなく、こやつに見せよってぇ!】

ブワッと溢れた彩華の"気"は激しい怒りと深い悲しみ。ここに辿り着く少し前に感じた"気"と同じだった。

翠「さっきのが…彩華の記憶。なら晴明が言っていた敵対していながら求婚したのが、あの若い男…彩華の幼馴染みとは彼女を護っていたあの人やな。」

翠は納得するように呟き、成る程と思う。

翠(確かにあれだけ一方的かつ理不尽に他者を傷つけられれば深い怨みを持っても仕方がないのかもしれへん。それに彩華のこの拒絶っぷりからして多分あの後、彼も目の前で…せやけど…)