陰陽姫 夜明けを見るものたち



翠(お互い、とても大切なんやね。)

2人の雰囲気にそう感じていると、気絶していた若い男がフラリと立ち上がり

翠(危ない!?)

次の瞬間には男は彼の背中を転がっていた刀で斬りつけていた。

彼女は悲鳴を上げ、傷に触れようとする手を掴まれた。

それはもちろん、あの若い男に


場面はまた変わり、外に縛られた2人の姿が映された。

そこは集落というような造りで、2人がいるのはその中心で少し拓けた広場のような場所だ。

普段ならば、きっと子供達は遊んだり家の手伝いで走り回っていただろう。
大人達はそんな子供達を見て笑って叱って、平和な毎日を過ごしていただろう。

だが、今は全く仲間達の生きとし生ける者の気配が感じられない。

あるのはおびただしい数の死体と血溜まりだけ。

それに目を逸らさず、唇を血が出るほど噛む彼女。

彼も悔しそうに顔を歪ませるが、血を流しすぎているのだろう。その顔は蒼白だ。

そこに現れたのは翡翠色の着物を着た若いあの男。

男はクイッと顎で仲間に指示すると、拷問を受けぐったりとした熟年夫婦が運ばれてきた。

それに彼女は目を見開き男に詰め寄る。