映像はそこで一旦切れ、新たな映像が浮かんだ。
翠(これは…どこかの部屋?)
切り替わった映像には2人の男が女子供を見下ろしていた。
そこに先程の女性が運び込まれ、男達の前に転がされる。
子供達は彼女の姿を見ると泣きながら彼女に縋り付く。
しかし彼女は何度揺すられても眉一つ動かさない。
2人の男の1人 翡翠色の着物を着た若い男が近くにいた者に何か命令したのか、その者は一礼して部屋を出ていった。
その間にもう1人の少し年老いた男は子供達を、まるで邪魔だというように蹴り飛ばしていた。
声は聞こえないが蹴られた子供は泣き叫び、それに苛ついた男は更に殴ろうとしたが、一緒にいた母親らしき女が必死に子供を庇っている。
知らず知らずに手に力が篭る。
怒りで肩が震えてきた。
この感覚は覚えがある。あの時と少し違うが前に祓戸大神(ハラエドノオオカミ)である瀬織津姫(セオリツヒメ)が見せてくれた過去の出来事を見ているのと恐らく似ているものだ。