激しい激痛に思わず目を閉じ逃れようとする翠。しかし、いずなはそれを許さず腕を強く掴む。

翠(なっ、何なんやこの子!?)

いきなりの事に慌てるが、瞼の裏にある映像が現れ動きを止めた。

翠(何…?これは森の中?)

突如現れた映像には森の小川近くに寄り添う二つの影。藍色の綺麗な着物を着た女性は白い足を川に入れて座り、近くには辺りを警戒しながらも彼女とにこやかに話す赤い着物の男性。

彼は肩は動きやすいようにか布がなく、剥き出しの腕には細かい古傷や深い古傷が見受けられた。

翠(これって…もしかして)

すると突然、男性の眼が鋭くなり突如沢山の男達が2人を囲む。

女性は驚きすぐに男性の後ろに回り、男性も彼女を護るように庇い腰の刀を握る。

男達は武器を構え襲い掛かると彼も抜刀し、応戦する。

数では圧倒的に不利だが、実力の差は歴然。彼は次々と敵を倒していく。

しかし、隠れていた他の男が彼女の背後に回り彼女を捕らえてしまった。

彼女は抵抗するも首に手刀が落とされ気を失う。

彼も彼女の異変に気付き振り返ると、彼女を気絶させた男が今まさに彼女を抱えて連れ去ろうとしているところだった。

彼は慌てて助けようとしたが、その隙を敵が見逃す筈もなく彼もまた後ろから殴られ気を失ってしまった。