晴【しかしイタコ故か、よく今まで己の自我を守ったものだ。】
翠「彼女を助けることは?」
翠が問うと晴明は難しい顔をする。
晴【どうだろうね。恐らく今なら出来なくもないが、これ程の邪気の中だ。今やれば黄泉の亡者が彼女の身体を狙うだろうし彩華の気配が無いからといって彼女の中にはまだ居る。きっと黙ってはいない。】
賢「つまり、短時間でやれば問題は無いがそれが出来る状況ではない、と。」
晴【ああ。それに彩華が何故今は気配を消しているのかもわからぬ。下手に手を出すのは危険だろう。】
短時間、いや一瞬でなくては恐らく危ない。
ゴォォォ!
「「「!?」」」
その時、黄泉の扉から亡者どもの雄叫びが響く。
賢「また来る!」
晴【賢人殿、貴方は亡者を。翠ちゃんはいずな殿を下がらせて。今彼女が奴らに見付かっては生きた肉体を求め憑依しようとするだろうから。】
翠「しかし!」
晴【迷っていては誰も救えぬぞ。才ある者よ。】
翠が反論する隙さえ与えずに言う晴明。
それにグッと詰まり、しかし翠は困惑の目で晴明を見る。

