陰陽姫 夜明けを見るものたち



翠「ッ!!」

賢「なっ!?」

白【貴ッ様!!】

翠は目を見開き、賢人は絶句。白棹は怒りで妖気が更に膨れ上がった。

さ【おや恐い。しかし事実だ。その女がいなければ幼い兄弟は寂しい思いをせずに済んだ。その女がいなければあの老人は苦しまずに最後を迎えなくてよかった。】

翠「わた、私の…私のせい…で…」

翠はガクガクと膝から崩れ涙を溢れさせる。

さ【そうだ。お前がいなければ誰も傷付かなかった。】

さとりは殊更優しく翠に言う。まるで洗脳するように。

拓「翠!」

拓海が翠に近付き肩を抱き寄せさとりに叫ぶ。

拓「そんなことない。翠は蒼希や紫苑を護ってきた。今だって俺達を、神木の一族を護っているんだ!」

翠は涙に濡れた瞳を拓海に向ける。

翠「た…くみ…」

拓海はニッコリと安心させるように笑いかけきつくさとりを睨む。

拓「さとり…てめぇ…!」

さ【ワシを許さない。ブッ殺してやる!
そう考えたな小童。しかし貴様に何が出来る?か弱き人間の分際で。】

クククッと笑うさとりと翠の間に賢人が割り込み符を構える。

賢「翠、しっかりしろ!ジジ様との約束を思い出せ!」

翠「!」