陰陽姫 夜明けを見るものたち



白【翠!阿部の小僧!我の前に来い!】

さ【む、これは樹を創る術。成る程、そこから大木を斜めに生やし城に突っ込ませるのですか。なかなか大胆な考えだ。】

白【Σなっ!?】

さ【ふむ、驚愕の思考。動揺が伝わる。】

白棹は驚きに固まる。

翠「(もしかして、白棹の思考を読んだ?)
! 思考を読む妖なんて、まさかさとりか!?」

若干青ざめる翠に拓海と龍之介は眉を寄せる。

龍「さとり?何者だ?」

蓮「心を読む妖だよ。厄介だね。コイツに作戦なんて通用しない。全て筒抜けなんだから。」

龍之介の質問に蓮が苦々しく答える。

さ【クスクス、その通り。我が名はさとり。貴様らの心はお見通しよ。
今鴉がワシをその羽根で串刺しにしようとしているのもな。】

バッとさとりはその場を飛び退くと同時に沢山の羽根が地面に突き刺さった。

飛「っ!くそっ!」

しかし、蓮がすぐに手を突きだし冷たく言う。

蓮「でも空中じゃ避けようがないよね。」

掌に妖気が集中し次の瞬間、狐火が一気に放たれた。

さ【甘いわ!】

さとりは大きく息を吸うと口から障気を出し、さとりに当たる前に爆発。そのまま蓮に障気が直撃するかと思われた。

翠「蓮!」

が、間一髪で翠が蓮を抱き込みながら地面を転がった。

翠「蓮!大丈夫!?」

蓮「翠ちゃん、僕のためにそんな必死に…」

転がった為、蓮が翠に覆い被さるような体勢になり少し身体を離して翠を色っぽく見つめる蓮。そんな彼に少々慌てる翠。