彩華サイド
ピチョ…ーン ピチョ…ーン
冷たい石壁に湿気が溜まるのか時折水が落ちる音がする。
彩【後少しで日が暮れる。これを抜けば黄泉の扉を開ける。】
薄暗い地下に少女の声が響き一本の丸太を撫でる。
さ【これが最後の封印。今宵は陰陽師は現れますかね?】
一匹の妖。さとりは少女、彩華の一歩後ろに控え彼女に話し掛ける。
彩【大蛇に殺られてなければ来るだろう。奴ら人間は諦めが悪いからの。】
さ【クスクス、あなた様も人間でしょうに。】
彩【おお、じゃから妾も諦めが悪いのじゃ。】
可笑しそうに笑う2人。しかし、彩華の表情がだんだん険しくなってきた。
さ【おや?また貴女ですか?貴女も諦めが悪いのですね。】
ククッと底意地の悪い顔で彩華の顔を覗き込む。
「う…や…めぇ…アタシ…から…出て…」
頭を抱え、さとりから僅かに離れるもすぐに壁にぶつかり、そのままずるずると座り込む。
さ【主様に取り憑かれ未だに自我を保つとは驚きですね。しかし、それも長くはない。徐々に意識を失いつつあるようだ。】
さとりは彼女と目線を合わせるようにしゃがみ、心の内を覗くように目を向ける。

