道「そこに座れ。すぐに済む。」
道成はピシャリと襖を閉めると床の間の掛け軸をずらし、壁に埋まった隠し金庫を開け始める。
翠は側にあったテーブルの前に座り、素直に道成を待っていた。
ガチャン
キィ
道「これをお前に返そう。」
そう言ってテーブルの上に置いたのは一本の短刀。
翠「! これっ…!」
それは以前まで翠が使っていた短刀で前回折れてしまった物だった。
白【何故貴様が持っている?これは勘助に預けていたはずだが?】
翠は帰ると同時にすぐに勘助を訪れ、短刀の事を話した。
翠はなんとか修復出来ないかと勘助に頼んだが答えは否。
曰く、これは形としての修復は出来るが能力の修復は無理なのだと言われた。
何でもこの短刀の浄化能力は高く、自分では修行不足で完璧に直すには後3年は掛かってしまうから待ってくれとの事。
翠としてはなんとかこれを使いたいので時間はかかってもいいから直して欲しいと勘助に預けていたのだ。
道「鍛冶場にそれがあった。恐らく勘助が保管していたのだろう。」
シャッと鞘から刀身を出すと、窓から射し込む夕陽を反射して光を生む。

