そう叫び、グイッと2人の胸ぐらを掴んだ翠。身長差で見上げるしかない蒼希と紫苑。
翠「今後、もし下らない事で誰かを傷付けたら…
私がお前達を殺す!」
本気ととれる殺気交じりの声にグッと押し黙る。そしてパシッと翠の手を払い
蒼「行くぞ紫苑!」
紫「ああ。」
シュッと音と共に姿を消した。
龍「何だあいつらは?」
拓「スッゲェ!!今消えたよ!?」
飛「ただの人間ではないな。」
蓮「まぁクナイ投げてきた時点で一般人じゃないよね」
翠「…彼らは通称"草"と呼ばれる組織に属している私達陰陽師のサポート役よ。依頼を受け、それが人成らざる者の仕業か見極め、私達が解決したら事後処理などもしてくれる。彼らの存在は私達には必要不可欠なんや。」
そう説明する翠はこちらを見ずにただ前を見つめる。
白【翠…】
心配そうに翠を見つめる白棹に4人は首を傾げた。
翠「…さあ、行こうか。神木家本家へ!」
振り返った翠は笑っていた。しかし、別れる前に見た自然な綺麗な笑顔ではなく、どこか泣きそうな笑顔だった。