賢「疲れたんだな。無理もない。」

朝陽が昇り、屋敷全体を照らす。すると一夜の壮絶な戦いを物語るように地面はあちこち抉れ、妖の死骸が所狭しに転がっている。

皆、重たい身体に鞭打って死骸を燃やしたり怪我人を屋敷に運ぶ作業をしていた。

そんな様子をボンヤリと眺めながら腕の中で眠る少女を抱く腕に僅かに力を込める。

飛「阿部さん、貴方も休んでください。だいぶ無理をなさったでしょう?」

賢「それはお前らもだろ?」

蓮「僕らは誰かさん達のフォローがいーっぱいあったお陰で平気♪ほら、彼女をいつまでも抱えてないでさっさと布団に寝かせなきゃ。」

わざと明るく言う樟葉に苦笑する。
暗に彼女をしっかり休ませろと言っているのだ。

賢「そうだな、じゃあ悪いが先に休ませてもらう。」

俺はしっかり彼女を抱き上げ、屋敷に戻っていった。