【ギャッ!?】

「ぐっ!?」

それにピクリと眉を動かす翠。

翠「白棹。」

白【心配いらぬ。被害はまだ小さい。】

翠「そう。ああゆう図体のデカイのは迷惑や。瞬殺で頼むね。」

白【承知した。】

バンッと白棹は両手を合わせる。

白【光は乏しい…ならば!】

一瞬、空に僅かに光る月を見上げるが白棹はすぐに闇に眼を向ける。

白【闇の化身は闇に還るがいい。" 闇黒手(アンコクシュ)!"】

突き合わせた両手を眼前に出せば、その腕からは黒い触手が勢いよく一つ目の妖に巻き付いた。

【な、何じゃこりゃー!?】

驚愕に眼を見開くが、あっという間に全身を触手が覆い、次の瞬間にはグシュッと嫌な音が響いた。

白【潰されたい奴は掛かってこい。我が主に指一本触れさせぬ。】

鋭い眼光に何匹か怯む。しかし、そんな隙を見逃す筈はなく後退し始めていた妖は突然吹っ飛ばされた。

ドォン!

【ギャッ!?】

【ガッ!?】

驚いたのは妖だけでは無く、翠もだった。