ドンドン!ドォン!
ギャアァァァ!
空一杯に爆発やら断末魔やらが響き、堪らず慣れない拓海と龍之介は耳を塞ぐ。
しかし、攻撃を掻い潜り、何匹かは地上に降り立った。
秋「奴らを中に入れるな!」
鋭く叫ぶ秋雅の声に答えるように、武器を持った者達が次々に地を蹴る。
白【情けをかけるな。奴らを殺らねば己が殺られるぞ。】
拓海と龍之介の背を叩き、白棹は翠と共に妖を倒しに走っていく。
拓「…行ける?龍之介。」
龍「…当たり前の事、聞くな。覚悟などとっくに出来てるぜ!」
不敵に笑い2人は駆け出していった。
翠は『氷結白雪』を握り、妖に突っ込んでいく。
翠「ハアッ!」
気合いと共に繰り出す剣術に為す術なく斬られる妖。
しかし数が多い為、どれも一撃で殺せる傷は与えられていなかった。
【何だ、その程度で我々を倒せると思っていたのか?】
翠の実力が自分達よりも遥かに劣ると思った妖達は余裕の態度で翠を振り返る。
翠「ええ。もちろん?」
フッと笑い、刀を納める翠。
そんな彼女を(皆怖い顔だから分かりにくいが)怪訝な顔で見る妖。