2人のやりとりを見ていた翠、蒼希、拓海は少々驚いていた。
翠「…紫苑ってあんな子やったけ?」
蒼「…15年一緒だが、初めて見たぞあんな紫苑。」
拓「龍之介もあんな風に他人と口喧嘩するなんて珍しい。」
白【アホなことやっていないで構えろ。
来たぞ。】
白棹の言葉に皆が一斉に顔を上げると闇に浮かぶ白く大きな塊が見えた。
翠「何や、あれ。」
賢「………蛇……か?」
よく見ると白い塊は大きな蛇だった。
その上には100匹はいるだろう妖が乗っている。
拓「そういえば本家には『ヒマワリの家』以上の結界が張ってるんだよね?入れるの?」
飛「これだけの妖気の塊だ。ここの結界など意味を成さないだろう。」
拓海の疑問に冷静に切り返す飛鳥。その眼は鋭く、いつでも戦えるように妖気を上げていた。
蒼「紫苑、離れるなよ。」
紫「うん、わかってる。」
白【翠よ、我の傍を離れるな。】
翠「うん!」
皆がそれぞれ構えをとると塊は結界にぶつかった。
ドォン!
バチバチバチ!
結界に激しく拒まれているが、少しずつ侵入して来ている。
秋「隊列を組め!奴らを生かして帰すな!」
「「「御意!」」」