賢「Σっ!そうか///」

それを直視した賢人は自分の顔が赤くなる自覚をしながら片手で自分の口元を覆い、顔を逸らす。

翠「? 賢人さん?」

翠はそんな賢人に気付くわけもなく、首を傾げていた。

賢人は顔を逸らしたままだが、翠の頭を撫でながら

賢「何でもない。ほら、話してくれ。」

翠「あ、はい!」

そうして話始めた内容に、賢人の表情は少し曇ったりしたが最後には嬉しそうに「良かったな」と言ってくれた。

賢「しかし、烏山や樟葉が匂いで気付かないとは…
何故紫苑から男の匂いがしたんだ?」

翠「男性のフェロモンを混ぜた練り香を使っていたらしいです。私もまさかそこまでしているとは思わなかったさかい、驚きました。」

コトッと懐から出した貝殻には内側に軟膏があり、それが男性フェロモンを混ぜた練り香だろう。

賢「これか。つか、何で紫苑は男装してるんだ?」

するとクスクスと面白そうに笑う翠。

賢「翠?」

訝しげに翠を見ると「いえ、すいません」と何とか笑いを抑えようとしている。しかし、暫くは肩を震わせていた。