賢(俺は…?)
彼女に受け入れられているのだろうか?
親しい、兄の様な存在ではなく、1人の男として。
賢(フッ、待つと言ったのは俺なのに堪え性のないことだ。)
舞台を見詰めながら賢人は苦笑する。
今はこのままで良いのだ。答えをもらうときは全てが終わっているとき。
それを聞くまで俺は死ねない。アイツを死なすわけにはいかない。
シャララン
一際大きな鈴の音が響き、2人はスッと手を下ろす。
翠「祈りなさい。我らの勝利を!」
紫「願いなさい。愛するものの変わらぬ幸せを!」
蒼「決戦は明日。どうぞ今宵はしっかり休まれ、力を蓄えてくださいませ。礼!」
ペコリと頭を下げ3人は舞台から下りる。
それに合わせちらほらと拍手が上がり、やがて割れんばかりの歓声が上がった。
賢人は身を預けていた柱から離れ、屋敷に入っていった。
向かう場所は翠の部屋だった。