翠「…私、何かしたんかな?」

白【どうかしたのか?】

ハァとため息混じりに呟いた翠に白棹が振り返る。

ここは道場。昨夜、予想通り彩華は第三封印を破り京の街は一層邪気が溢れていた。

現在、昼間だというのに外は薄暗く妖も少し出てきている。

本家ではそれらに対応し、"草"が街を見回っている。

翠「いや、昨日からずっとあの子達の視線を感じるんよね。でもいつもと違うて嫌な感じやないし…」

う~ん?と首を捻る翠に苦笑してしまう白棹。

普通ならば喜ばしい筈なのに、普段が普段なだけに敵意以外で見られればこの子は不思議でならないようだ。

白【しかし、我はそっちよりこっちの方が不思議だが…】

そう言って目を向けた先には結界で自身を囲い、正座している4人。

丁度、頭の上に水が一杯入ったバケツが置かれていた。

今日と明日で封印は全て破られるだろう。

その前に簡単ではあるが霊力を鍛えようと6人は道場に来ているのだ。