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蓮「幾らなんでも、翠ちゃんが可哀想だよ、ね。」
飛「……彼女に自覚は無いんだろう。自分が傷付くことが当たり前になっているんだ。」
蓮は立ち上がり、そのまま広い庭に裸足で出る。
蓮「彼女を助けられる存在になりたいと思って追い掛けてきたけど、僕らでは駄目だね。」
澄みきった青空を見上げ蓮は少し諦めたように笑う。
飛鳥も彼の言いたいことがわかるのだろう。隣に並び同じように空を見上げた。
飛「私達の位置は"友人"であり"弟子"だからね。彼らのように弱い部分を見せてくれないだろう。」
彼らと呟き、金髪の少年と背の高い男の後ろ姿を思い浮かべる。
蓮「悔しい、ね。」
飛「悔しい、な。」
顔を見合せ、困ったようにお互い笑う。
敵わないのだ。どんなに彼女の傍に居たいと祈ろうと、頼って欲しいと願おうと彼女の中には今以上の居場所は自分達には無いのだ。
バシャーン!!
蓮・飛「!?」
突然の水音に驚き、2人は裏側の庭に顔を出す。
本家は広いため東西南北に庭がある。
蓮達が居たのは日当たりの良い南側。その裏側の北の庭には大きな池があり、先程の音はそれだろう。
そう思い見に行くと、蒼希が池の中に尻餅をついて呆然と見知らぬ男を見上げていた。

