陰陽姫 夜明けを見るものたち



勘『先程も言ったが、父は翠をかなり憎んでいる。そして私は妖刀師だけでなく、陰陽師としての才能も高く生まれたから昔から期待されていたんだ。もし父が憎い翠に助けられたとしたら自害するだろうね。息子の私達も同じ、助けられるなど言語道断!って感じかな?だから、少しでも彼女に憎しみ以外で近付けば父に酷い仕打ちを受けるんだ。
翠もそれをわかっているから私にフォローさせないし、神木も器である翠が完全に裏切らないようにと身内を縛っている。私1人の力では神木に逆らえないんだ。』

勘助としてはたった3人の血の繋がった家族である翠達には解り合って貰いたいと思っている。

しかし周りがそうさせないうえ、本人も望まないためどうしようもないのだ。

勘『…さて、腹が減ってしまったな。』

ニコッと微笑み勘助は蓮と飛鳥の横を過ぎる。
そして襖に手を掛け、振り返らず

勘『…しかし帰ってきてからの翠は良い顔をしている。きっと君達の存在が彼女を救ったんだろう。
私が言うことではないが、有難う。心から感謝している。』

ピシャリと閉められた襖に静寂が落ちる室内。

2人は暫く口を開くことはなかった。