翠『…それから私が2人に会ったら憎しみのこもった目で睨まれるようになった。どうしてなのかと聞くと自分達の両親はお前のせいで死んだんだろうと…そう、言われたんや。
否定しようとしたけど…その通りやし、でも逆に都合も良かった。表立って護れないから身を護る術を教えてくれるなら私は憎まれ役にだって喜んでなる。』

事実、2人はよく成長していると嬉しそうな反面、僅かに複雑そうな、そんな顔をしている翠に飛鳥と蓮は何も言えなくなっていた。

翠『まぁ、成長し過ぎて最近では本格的に陰陽師にならないかと周りの大人達は言っているんよね。そうなったら今以上に危険なお役目になるかもしれんし、私心配で心配で…』

ハァとため息を吐く翠に、蓮はもしかしてと口を開く。

蓮『ねぇ、昨日蒼希君が言っていた君は自分が活躍すると嫌な顔するって…』

翠『……心配しとっただけなんやけど、どうもそうは見えへんかったみたいやね。』

苦笑いを浮かべる彼女は母のようであり、やはり姉の顔だった。

それをひねくれた見方しか出来ないのは彼らの目が曇っているからだろう。