勘『彼らの実の姉だ。』

それを聞いて驚くでもなく、やっぱり。と納得する。

勘『驚かないんだね?』

蓮『匂いが似てたし。』

飛『顔とか雰囲気も似てましたから。』

翠『そんな似てる?』

首を傾げる翠は何となくだが嬉しそうだ。

蓮『それで、実の姉弟がなんでこんな関係なの?』

あの双子の異常なまでの憎悪の眼差しは一体どうしてなのか。

少なくても彼女に対して何か誤解しているだろう事はわかる。

翠『……あの頃は、父様達を亡くした頃の私は情緒不安定だったから弟たちの存在を忘れてたんよね。後から少しずつ思い出してきたときには既に志波に引き取られてた。』

勘『私が14歳の頃、蒼希と紫苑は5歳。その頃から父は2人に稽古をつけ始めていた。幼い2人は厳しい稽古に泣きはじめたとき、父は2人に父母の死は翠がいたからだと話した。翠さえいなければ2人は死ななかったと。2人が死んだのは翠のせいだと。』

翠は悲しげに顔を歪め、俯く。