広い広い屋敷の縁側の1つに銀と黒の2つがただ黙って庭を眺めていた。
蓮「……どう思う?」
飛「彼らの事か?」
蓮「うん…」
ポツリと目線はそのままに蓮は飛鳥に問う。
先程、翠から聞いた話は2人にも相当な衝撃だったようだ。
飛「……ここは根本的に盲目しているんだろう。少し周りを見れば判ることも、現実を受け止めない大人ばかりだと見えるものも見えなくなる。そして子供達もそれが当たり前になっているんだ。まさに負の連鎖だな。」
飛鳥は不愉快そうに眉間に皺を寄せフーッとため息を吐く。
蓮「翠ちゃんは…ずっとこのままで良いのかな?」
飛「彼女の事だ。恐らくはそのままだろうし本人の自由だろう。
が、友人としては見て見ぬ振りは少々気が引ける。」
2人揃ってため息を1つ。
お互い考えるのは先程の話だった。