翠「っっっもう!///」

諦めたように座る翠に苦笑をもらす勘助。

勘「仲が良いんだね。」

翠「…まぁ、初めて出来た友人でもありますから。」

翠も苦笑しながら勘助に向き直る。

勘「……改めて、すまなかった。2人を護れず、私まで助けてもらったな。」

頭をしっかり下げる勘助に翠は緩く首を振る。

翠「今回は蒼希が悪い。それにあの子がムキになったんは尊敬する貴方を当主にする為やろって紫苑は言うてた。つまりは私の存在があの子を追い詰めたんや思います。」

勘「そんな事!」

パッと顔を上げた勘助は否定しかけたがすぐに口を閉じる。

翠の顔は、それはそれは悲しげに歪んでいたからだ。

翠「事実、ですよ。それに対峙したときに見たあの子の目は本気の殺意がありました。…たとえ寄怪虫に操られていても、その心の闇は本物ですから。…私が…植え付けてしまった…」

白くなるほど強く握り込んだ翠の手をそっと握る。

勘「違う!植え付けたのは私の父だよ。そして従姉妹の君達をこんな関係にしてしまったのは私の責任だ。」

?「従姉妹?」

ポツリと小さな聞き覚えのある声が襖の向こうで聞こえた。