ハァ…ハァ…ハァ…
ノンストップで神木の山まで走って帰り本家に到着した途端、拓海、龍之介、賢人は息切れしてヘタリ込んでいた。
白【これくらいで息切れとは情けない。】
賢「うっせぇ…ゼェ…お前らと…ハァ…体力が違う…ゲホッ…」
拓「つか…皆何でそんな…平気なの…?」
蒼「僕らは普段から鍛えてる。これくらいの距離で息など乱していたらお役目なんか出来るわけ無いやん。」
シレッと言う蒼希に腹が立つ。
というか、それだったら阿部ちゃんはどーすんの?という突っ込みは本人の為に黙っていようと思う拓海、龍之介、蓮だった。
仁「翠、これからどうするつもりだ?"霊戻し"が通用しなかったのだ。打つ手がないぞ!?」
翠に詰め寄る仁に、まーまーと笑うのは先程から翠の傍にいる1人の歴代当主。
?【一先ず、現当主に報告しに行こうか。それからこれからの事を…】
?【翠さまぁぁぁぁ!!】
ビュンッ
翠「えっ?グフッ!?ιι」
男の台詞を遮るように自分の名を叫ばれ、何かに突進され倒れかける。
賢「Σおっと!」
それを慌てて賢人が翠の後ろに回り抱き止めた。
?【翠様!ご無事でようございましたぁ!!】
翠に抱き着いたそれが顔を上げると目に一杯に涙を溜めた
翠「Σ麗奈!?」
雪女の麗奈だった。