陰陽姫 夜明けを見るものたち



バタバタと走り、己の手を握る自分より少し小さな手をみつめながら翠はただ足を動かす。

翠「…………」

白【…誰も死んではおらぬだろう?】

翠「えっ?」

白【彩華は倒せなんだが、蒼希を助けだし"霊戻し"のおかげでこうして誰も傷付かず逃げられる。封印は破られようが、まぁ…何とかなろう。】

だから気に病むなと言うように手を強く握られる。

翠「白棹…」

?【そーそー!それに僕もいるんだから百人力でしょ♪】

明るく笑う男に翠は苦笑して少し肩の力が抜けた。

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彩【…逃げたか。】

【主様、封印を!】

彩【そうじゃな。】

勘助を支える者達には外で待っているように伝え社の扉を開けた。

社の中に入り、隠し扉を開けて地下に入る。

カツーンカツーン

冷たい石階段を降りて行くと注連縄を掛けられた丸太が一本、突き刺さっていた。

彩【ふっ、こうも呆気なく封印を解けていくのもつまらぬな。】

スッと手を伸ばし、丸太を掴み引っこ抜く。