私はいつの間にか 大隅君の腕をつかんでいた。 周りなんて見えてない。 でも、スタッフたちは次のシーンの 準備で慌ただしいのが横目でわかる。 「お、大隅君は私の 好きな人知ってるの?」 「は…?」 「知らないよね? じゃあ、なんであんなこと言ったの?」 もう歯止めがきかない。 気づいてほしくて。 分かってほしくて。 私のこの気持ち。